データで見る外国人技能実習制度

技能実習生に関するデータから外国人技能実習制度を見ていきます。
最初は技能実習生の人数の増加です。

厚生労働省が公開している在留資格「技能実習」の国籍別在留者数というデータになりますが、こちらを見ますと、年々技能実習生の国内在留している人数が増えています。

特に顕著であるのが平成28年から平成29年6月時点になります。

平成29年では6月時点と1年を経過していませんが、既に前年の国内在留者数を超えています。こちらは平成28年の法改正により技能実習生の2号(技能実習2年目~3年目)に様々な職種で継続可能となり、それまでは1年で技能実習を終えていた技能実習生が引き続き、2年の実習を行うことができるようになり、合計で3年間技能実習生として日本に在留することができるようになりました。

1年間ではなく3年間技能実習を行うことができるのであれば、技能実習生は慣れ親しんだ職場で2年間長く技能実習を行うことができ、受入企業も技能実習の期間が伸びることにより濃い内容の技能実習を行うことができるという双方にとってメリットが生まれ、技能実習生を受け入れたい企業が増え、日本で技能実習をしたい開発途上国の若者が増えたことが技能実習在留者数の増加の要因となりました。

また在留技能実習生の国籍割合になりますが、平成24年には中国籍の技能実習生が国内在留者に占める割合のピークを迎え、その後中国籍の技能実習生の在留者数は減少しています。こちらは中国が経済的に豊かになり、また中国の産業が発展し、労働者の賃金も飛躍的に上昇したため、中国の若者が日本で技能実習を行うメリットが少なくなったためです。

一時は技能実習生といえばほぼ中国籍の若者でしたが、現在は他の国からの若者が非常に多く来ています。

今現在、国内にいる技能実習生の国籍で一番多い国はベトナムになります。

なぜベトナムからの技能実習生が多いのかというとベトナムは世界有数の親日国であることがあげられます。ベトナムの親日ぶりは日本の義務教育の英語と同じ扱いとなる第一外国語に日本語が指定され義務教育のカリキュラムに組み込まれるなど非常に顕著なものになります。

ベトナムから来ている技能実習生の人数は今後も増えることが予測されていますが、中国と同じようにベトナムの経済・産業の発展とともにベトナムの若者が技能実習生として日本へ来ることは少なくなっていくことは想像に難くありません。

もし仮にベトナムからの技能実習生の来日が少なくなったとしても、まだ日本での技能実習を希望する開発途上国の若者は非常に多いため、技能実習生の在留者数は今後も国籍の割合を変えながら増加していきます。

特に技能実習生の在留増加率が顕著であるミャンマー(平成23年時点では技能実習での在留者数146名が平成29年6月時点で5,019名となり約34.3倍に増加)、ベトナムと同じように親日国であるインドネシアからの若者が今後より他国に比べて増えていく想定となります。 将来を見据え、人材の確保に困らないようにするためにベトナムはもちろんのことミャンマー、インドネシアなど他の開発途上国からも技能実習生の受入実績がある監理団体を活用することが大切です。

受入方法及び受入人数の比率

まず受入方法ですが平成29年6月末時点の「技能実習」に係る受入形態別総在留者数のデータでは団体監理型での受入が圧倒的であり、技能実習生の人数全体の9割を超えています。監理団体からサポート、助言、指導を活用しての外国人技能実習制度の運用が企業にとってメリットがある受入方法である裏付けでもあります。

また団体監理型で技能実習を実施している会社の規模はどれくらいの会社が多いのかというデータが平成28年度 技能実習実施機関従業員規模別構成比(団体監理型)になるのですが、こちらのデータを見ますと従業員数が10名未満の会社が半数を超えており、小規模企業者の定義である20名未満の会社全体で占める割合は全体の65%となっています。

外国人技能実習制度は一見難しい制度のため大企業向きの制度のように感じられる場合もありますが、監理団体のサポートにより大企業だけではなく、中小企業にとっても人材を確保できる唯一無二の方法となります。

人手にお困りのすべての企業様は監理団体を通しての外国人技能実習制度の活用することで、人手不足解消をするとともに技能実習を行うことで国際貢献してみてはかがでしょうか。

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