外国人にとって日本語学習とは?日本語の覚え方

近年グローバル化により、多くの外国人が日本語を学んでいます。平成30年の国際交流基金の調べによると現在、海外の142か国・地域において約385万人が日本語を学習しています。そこで本記事では、外国人がなぜ日本語に興味を持ったのか、どのような方法で学んでいるのか、また外国人が感じる日本語の魅力についてご紹介します。

外国人が日本語に興味を持つきっかけと日本語を学ぶ目的

まず外国人は、何をきっかけに日本語に興味を持つのでしょうか。内閣府の知的財産戦略推進事務局が、外国人に対して平成30年の1月に行ったアンケートの結果によると次のような結果になりました。欧州、アジア、北米のどの地域でもダントツで高い割合を占めたのがアニメ・マンガ・ゲームです。また、神社・仏閣等を含む歴史や音楽、士道や仏教、神道、茶道などの芸術や日本食に興味を持つ人も多いことがわかりました。ではこれらのきっかけで日本語に興味を持った外国人は、何を目的に日本語を学んでいるのでしょうか。

国際交流基金の調査で最も大きな割合を占めた目的は、”日本語そのものへの興味”でした。「発音がきれいで文字も特別なため、使えるようになりたい」という意見が多いようです。他にも”日本人とコミュニケーションが取れるようになりたい”、”日本の文化に関する知識を深めたい”、”将来の就職に役立てたい”という意見も多く出ました。

外国人の日本語学習法

外国人の日本語学習法をご紹介します。

1つ目は「日本の音楽CDを聞いて、言葉の意味や歌詞の内容を調べながら覚える」です。先ほど述べたように、音楽は外国人が日本語に興味を持つきっかけの上位に入っています。そこで音楽が好きな人は、バスや電車の中などで日本の音楽のCDを聞きながら、言葉の意味や歌詞の内容を辞書やネットで調べて覚えるといいます。

2つ目は「映画やテレビ番組を繰り返し見て、わからない単語を調べながら覚える」です。日本の好きな映画やテレビを、最初は英語の字幕を見ながら繰り返し見ます。内容が理解できたら少しずつ音声や字幕を日本語にして、わからない単語が出てきたらメモして辞書で調べながら覚えるという方法です。例えば、1回見る毎に3つずつ単語やフレーズを覚えるなど、自分の中でルールを作って覚えていくと良いでしょう。なお、その映画やテレビは何度も見る必要があるため自分の好きなものを選びましょう。

3つ目は「Twitter・Facebook・Instagramなどを使って日本の友だちを作る」です。Instagramを例に挙げると、「#自分の趣味」で検索し、自分と同じ趣味を持った人のコメントを読んだり、コメントしたりするという方法です。この時、知らない単語が出てきたら必ずメモして辞書で調べましょう。

4つ目は「単語帳を使って覚える」です。日本語でスムーズに会話を進めるためには、単語をたくさん覚えることが重要です。そこで役に立つのが単語帳です。日本語テキストに掲載されている単語はもちろん、映画や本、ドラマや漫画などで使われるような”生きている今の日本語”なども、気になったものはメモをして、単語帳に記して覚えると良いでしょう。

5つ目は「漢字は、分解したり成り立ちを学びながら覚えること」です。日本語の中でも覚えにくいと敬遠されがちなのが漢字です。実際、日本人の中でも漢字は苦手な人は多くいます。特に最近はパソコンやスマホの影響で、読むことはできても書くことは苦手という人がますます多くなりました。そこで漢字を覚えるコツは、その文字を分解して考えたり成り立ちを知ったりすることです。漢字の形や成り立ちを知ると、その文字に対する理解が深まり使い方も覚えることができるでしょう。

6つ目は「好きなコンテンツでシャドーイングを実践する」です。シャドーイングとは、イヤホンなどで音声を聞いた後に即座に復唱する実験技術です。普通、言葉の聞き取りと発音の間の反応時間は254ミリ秒〜150ミリ秒までの短さになります。これは発声の音節の長さの遅れです。日本語を学ぶ外国人は、ただ復唱するように指示されても、自動的に文法や意味を処理してしまいます。ところがシャドーイングで復唱される言葉は、単に音読する場合に比べて口調などの模倣が忠実に行われるため、正しい発音を身につけるのに効果的なのです。

7つ目は「日本人と日本語を使ってとにかく会話をすること」です。これはどの言語習得にも当てはまりますが、その言語を話す力を身につけるために一番有効な方法は、その言語を話す人と積極的に会話することです。すると会話で常にネイティブな言葉を聞くことができるため、自分の耳がネイティブな発音に慣れていきます。たとえ自分の話す日本語に自信がなくても、恐れずに積極的に会話することが大切です。それを繰り返すうちに少しずつ上達していきます。

外国人が感じる日本語の魅力

最後に、外国人が感じる日本語の魅力を3つご紹介します。

1つ目は「多様な表現で相手との様々な距離感を表せること」です。日本語は、敬語や丁寧語、謙譲語、タメ語など相手による言葉の使い分けが複雑です。また女性と男性でも使う言葉に違いがあり、書き言葉と話し言葉でも違います。それらを使い分けることで、礼儀正しさや思いやり、尊敬などの気持ちを言葉に込めたり、相手によって微妙なニュアンスを表現することができます。

2つ目は「自然や季節感を表す言葉がたくさんあること」です。例えば、雨なら小雨・時雨・夕立など、雨の降り方だけでなくまわりの情景まで連想させる情緒的な言葉が多く存在します。また入道雲といえば夏、鶯といえば春の季語というように和歌や俳句には季語があり、色にも山吹色、紅色などのように植物の名前がついています。このように、生活の中で季節感を大切にする日本人の心は外国人に感銘を与えるようです。

3つ目は「漢字一文字一文字に意味があって興味深いこと」です。漢字はアルファベットとは違い、一つ一つの文字に意味があります。そのおもしろさに気づくと永遠に追求できるところが魅力的だといいます。

このように、多くの外国人が様々な目的で日本語を学び、日々学習方法を編み出しながら学習し続けているのです。

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